1921年にレンガの旧会堂の献堂にあわせて輸入され、長く奏楽に用いられた霊南坂教会のハルモニウム(リードオルガンの一種)。近年、老朽のため演奏不能になっていましたが、約1年かけてオランダで修復が行われ、この2月に教会へ帰ってきました。
フランスのデュモン&ルリエーブル社製。いまや世界でも希少になった20世紀初頭の大型ハルモニウムです。リード、アクション、ストップ、スウェルなど、すべての部品が丹念に整備され、100年前の会堂に鳴り響いた音量と多彩な表現力を取り戻しました。オーク材の外装はアール・ヌーヴォーの時代の装飾に包まれ、両肩にガーゴイルを抱きます。
生まれ変わったハルモニウムは、古くて新しい霊南坂教会のシンボルとして、ステンドグラスやパイプオルガンとともに、末長く会衆を導いてくれることでしょう。